《とのさまバッタ》加藤昭男
大地を蹴って飛び上がるとのさまバッタをどこまでも追いかけた少年の頃、自然は身近なものであった。
私達は、めっきり自然とのふれあいが少なくなった。ふたたび緑豊かで小鳥、昆虫などと共存出来る環境を取り戻したいものだ。
このような願いを込めながら制作にあたった。
作品は『2匹のバッタと、それを追いかけようとする子供像』からなる構成とし、近くに小学校があり、子どもにも親しまれるモチーフとした。それらの作品は、なだらかに隆起する芝生の築山の上に配置される。その築山と作品は道を隔てた長富公園の築山に呼応し、全体が一つとなって、彫刻作品のための空間をかたちづくるように意図した。
加藤昭男
1927 | 瀬戸市に生まれる |
1953 | 東京芸術大学彫刻科卒業 |
1960 | 第3回国際具象派美術展出品(銀座・松坂屋) |
1962 | 第5回現代日本美術展出品(東京都美術館) |
1970 | 第5回昭和会展出品(日動画廊)優秀賞受賞 |
1973 | 第1回彫刻の森美術館大賞展出品(箱根) |
1974 | 第2回長野市野外彫刻賞受賞 第5回中原悌二郎賞優秀賞受賞 |
1975 | 現代彫刻20人展出品(東京セントラル美術館) 第11回現代日本美術展出品(東京都美術館) |
1976 | 頭像展出品(彫刻の森美術館) |
1979 | 横浜市根岸公園に《鳥を呼ぶ》設置 |
1980 | 戦後日本現代彫刻の歩み展出品(神奈川県民ホールギャラリー) 松下政経塾正門にレリーフ《明日の太陽》設置 |
1982 | 第2回高村光太郎大賞展出品(彫刻の森美術館)、優秀賞受賞 |
1983・86 | 第1回、第2回東京野外現代彫刻展出品(世田谷・砧公園)、大衆賞受賞 |
1988 | 現代彫刻・1980年代の作家展出品 |
1989 | 昭和63年度優秀作品として《古瀬戸》文化庁買上げ |
新制作協会会員/武蔵野美術大学名誉教授 |
更新日:2021年01月14日