大地震後に発生する地震火災
感震ブレーカー簡易タイプ
(出典:消防庁資料)
大地震発生後には、火災が同時に多くの場所で発生するおそれがあり、消火活動が困難な状態となり、住宅密集地などでは大規模な火災につながる危険性が高くなります。
近年の大地震後においては、電気に起因する火災が多く発生しています。東日本大震災における本震の揺れによる火災では、原因の特定されたもののうち過半数が電気に起因したものでした。
電気に起因する火災を防ぐには、感震ブレーカーの取り付けが有効です。簡易タイプは、2,000円程度から購入できます。
機器の概要 | ばねの作動や重りの落下によりブレーカーを落として、電気を遮断 |
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価格 | 2,000円~4,000円 (ホームセンターなどで購入可能) |
特徴 | 電気工事不要で自ら取り付けできる 分電盤の形状によっては取り付けが困難な場合がある |
通電火災
停電からの復旧後の再通電時に出火する、いわゆる「通電火災」の発生が懸念されています。通電火災が発生した場合、住民が避難所などへ避難しており、初期消火が行えないおそれがあります。
通電火災のメカニズム
- 転倒した家具の下敷きになり損傷した配線などに再通電し、発熱発火する。
- 落下したカーテンや洗濯物といった可燃物がヒーターに接触した状態で再通電し、着火する。
- 転倒したヒーターや照明器具(白熱灯など)が可燃物に接触した状態で再通電し、着火する。
地震火災を防ぐポイント
事前の対策
- 住まいの耐震性を確保する
- 家具などの転倒防止対策(固定)を行う
- 感震ブレーカーを設置する
- ストーブなどの暖房機器の周辺は整理整頓し、可燃物を近くに置かない
- 住宅用消火器などを設置し、使用方法について確認する
地震直後の行動
- 停電中は電化製品のスイッチを切るとともに、電源プラグをコンセントから抜く
- 石油ストーブやファンヒーターからの油漏れの有無を確認する
- 避難するときはブレーカーを落とす
出典:消防庁「消防の動き '20年12月号」
津波火災
東日本大震災での津波火災(岩手県大槌町)
(出典:大槌町震災アーカイブ)
津波で浸水した地域では、津波火災が発生する場合があります。浸水した地域での火災のため、消火活動も難しく、被害が拡大する傾向があります。
発生のメカニズム
- 津波により、倒壊建物や車両が瓦礫となって内陸部へ流れ込みます。流出した車両や屋外タンクなどからは、オイルが漏れます。
- 建築物の多い市街地などの平野部では、ガスボンベなど出火要因となる可燃物が多く、それらと津波によって流れ着いた瓦礫が要因となり出火します。
- 建築物に延焼し、大規模な市街地火災へ発展します。また、海上油面火災が形成されたり、燃えた船舶が延焼拡大をさらに助長させます。
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更新日:2024年02月15日