耐震化と家具固定で死者70%減
東日本大震災で亡くなった方の90%以上は、津波に巻き込まれたことによる溺死が原因でした。阪神・淡路大震災では、亡くなった方の70%以上が建物の倒壊などに伴う窒息・圧死によるものでした。
また、地震による負傷原因の30~50%は、家具類の転倒や落下が原因です。
碧南市では、最大想定の地震が発生した場合、約1,000人の方が亡くなると予測しています。この予測値は、人口比でみると東日本大震災の仙台市や阪神・淡路大震災の神戸市を大きく上回る被害です。
しかし、建物の耐震化や家具などの固定を行うと、死者約70%、負傷者約95%減らせる可能性があります。
原因 | 死者数 | 備考 |
---|---|---|
建物倒壊 | 444 | 耐震化で減らせる可能性 |
屋内落下物など | 36 | 家具固定で減らせる可能性 |
建物から脱出不可による津波 | 358 | 耐震化や家具固定で減らせる可能性 |
津波からの逃げ遅れ | 82 | |
火災 | 220 | |
急傾斜地崩壊など | わずか | |
ブロック塀・自動販売機の転倒、屋外落下物 | わずか | |
合計 | 1,140 |
原因 | 負傷者数 | 備考 |
---|---|---|
建物倒壊による重症 | 631 | 耐震化で減らせる可能性 |
屋内落下物などによる重症 | 138 | 家具固定で減らせる可能性 |
火災による重症 | 42 | |
建物倒壊による軽傷 | 1,162 | 耐震化で減らせる可能性 |
屋内落下物などによる軽傷 | 621 | 家具固定で減らせる可能性 |
火災による軽傷 | 109 | |
合計 | 2,703 |
建物の耐震化
碧南市建築課では、昭和56年5月31日以前に着工された木造住宅(在来軸組工法または伝統工法の2階建て以下に限る)に対して、無料で耐震診断を行っています。
また、大地震の被害を軽減するために、耐震化促進事業を実施しています。まずは耐震診断が必要ですので、診断を受け、ぜひ補助制度を活用いただき、住宅の耐震化をお願いします。
家具などの固定
建物の耐震補強も重要な対策ですが、震度6以上ではほとんどの物が倒れ、凶器に変わってしいます。また、家具が倒れたときに割れた食器やガラスなどが、多くの負傷原因になります。新潟中越地震では、被災者の73%が家具で死傷しています。
就寝中や、こどもやペットなどが留守番していても安心できる部屋作りを進めましょう。
- 家具は壁に固定「家具は必ず倒れる!」
- 冷蔵庫やピアノが凶器に「重い家電や家具も動く!」
- 家庭に安全空間を「寝室に家具を置かない!」
- 必ず通れる避難経路を確保する「廊下に避難の妨げとなる物を置かない!」
誰にでもすぐできる家具転倒防止対策 ~家具転倒防止グッズで補強
家具転倒防止グッズとして、多くの場合、L型金具が奨励されています。器具の効果が一番大きいからです。ところが、実際にはこのL型金具での転倒防止策は、いくつかのハードルがあって思うように普及が進んでいません。
まず、L型金具はビスで金具と壁を固定する必要があるため、壁側に穴を開けられない賃貸住宅には向きません。また持ち家の場合でも、一般的な壁は石膏ボードという「すかすか」の素材なのでビスが効かず、L型金具を固定するための木の横板を新たに壁側に設置する必要があり、工務店などに依頼せざるを得なくなります。
ではどうするのか。家具の底面にストッパー式または粘着マット式器具を設置し、「踏ん張ってすべらない」状態にした上で、家具と天井の隙間をポール式器具で「突っ張って隙間をなくす」という、二つの対策を同時に実施する方法があります。これならL型金具に匹敵する効果が得られますし、賃貸住宅でも持ち家でも実施が可能です。
誰にでもすぐできる家具転倒防止対策 ~家具転倒防止グッズで補強
出典:内閣府ウェブサイト bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h25/72/bousaitaisaku.html
ページID 20359
更新日:2024年01月19日